[2018/08/06]バレクラ

無理矢理えっち / バレクラ / 文庫ページメーカー ※R18表現あり

 抑えつけ、蹂躙し、そして満足するまでさんざん辱めてからようやく解放してやったら、気力も体力も失せたらしい。普段だったら散々噛みついたり文句を言ったり、当たり散らしてくるクラウドは、ただ荒い息をついてぐったりと寝台に横になっているだけだった。中にたっぶり出してやった子種が太股を伝って滴り落ちているが、それすらも拭おうとしていない。
「やけに大人しいじゃねえか、お前」
 いつもなら真っ先にシャワーに行くし、行かなくても不快な体液を拭うまではしているのに、今日はどうも動かない。一体どうしたと顔を覗き込んだら、その忌々しいソルジャーの瞳は、ただ茫洋と焦点の合わぬまま彷徨っていた。口も開いたままで、透明な涎が零れている。
「……トンだか? おい」
 興奮剤まで使ったのがいけなかったかもしれない——と、バレットはナイトテーブルに転がる薬の抜け殻を見遣った。神経系に作用して高揚させるだの何だのというから、もしかして使ってみたら何か変わるのかと思い飲ませてみたのだ。実際効き目は抜群で、嫌がるだけではなく向こうから(嫌々といった様子ではあったが)強請ってきたシーンもあったし、クラウド自身も何度も達していたようだったが、まさか気をやってしまうほどとは思わなかった。
 とりあえず息はあることだけを確認したバレットは、クラウドの頬を叩いて起こそうとした。だがその直前、ふと思い立ち、未だ収縮を繰り返す後ろの孔にその指を突っ込む。まるで誘い込まれるように食まれた指は、何の抵抗もなくクラウドの中へと埋め込まれていく。
「んっ」
 指を軽く曲げ鉤状にすると、そこでようやくクラウドが呻いた。だが、身体がぴくりと反応しただけで戻ってきてはいないようだ。そのままぬちぬちと動かし、中に吐き出した精液を掻き出してやる。あっ、あっ、とだらしのない口から小さな嬌声が漏れるも、目立った抵抗はない。
「ぁ、あっ、ぅあ、……んん、」
「寝ながら喘いでるって、相当淫乱だなお前」
 しょうがねえやつ、と笑いながらバレットは指を抜く。
 どこまでやったら起きるか試してみようと思ったが、思わぬ痴態と声に治まったはずの肉茎が再び反応していた。腰掛けているだけだったベッドに乗り直し、力の抜けたクラウドの身体を仰向けにして引き寄せ、腰を上げて太股の上に乗せてやる。
「まだ足りねえってか、そうかよ」
 じゃあ満足させてやるよ、とバレットは舌舐めずりした。そして今度は掻き出すのではなく、解してやるつもりで腹の中をかき混ぜてやったら、ますます声が大きくなる。先程までバレットの逸物をくわえ込んでいたからか、それほど時間もかけずに卑猥に色づいたそこはあっさりと口を開いた。
「ああ、よし、いい具合じゃねえか」
 もう止めようとは思わなかった。血管が浮き出るほどに硬くなった楔を孔に押し当てると、体重をかけてゆっくりと突き入れる。
「ァ——」
 クラウドの身体が弓なりに反った。敏感になった身体はそれだけでまた達したのか、バレットを包んでいた肉が締まり、ゆるく勃ちあがっていた性器からもはや色の着いていない液体がとろとろと流れ出てくる。
「ッはは、くそ、最高だな、っ」
 つられて上り詰めそうになる自分を律しながら、バレットは片腕で腰を掴んで荒々しいピストンを始めた。安物のスプリングが軋み、肉と肉がぶつかる乾いた音に混じり、どこか呆けたようなクラウドの艶声が上がる。意識がないというのにここまで乱れるとは、このソルジャー様は相当淫乱な身体に仕上がってしまったようだ。しかも、他ならぬバレットの手によって堕ちた、その事実がとてつもなく煽ってくる。
「あぅ、あっ、あ、んぁ、」
「おら、おら、……気持ちいいか、んん? 感じてんのか、これで?」
「ふぁ、っあ、ァ、……あっ、ひぁ、セフィ、いやぁ——」
「ッ」
 だが、その熱もクラウドの唇が紡いだ一言に一瞬冷めた。まさかこいつ、あの英雄と寝ていたのか。戦友のようなものと言っていたが上官と部下というくびきはあるだろうから、夜な夜なこうして抱かれていたのだろうか。いや、ともすればもっと深い仲だったのか。
 最後の可能性に行き当たったとき、冷めた熱がまた一気にバレットの中で燃え上がった。彼はそれまでクラウドの腰をがっしり掴んでいた手を離すと、未だ戻ってきていないクラウドの頬を二度、三度と叩く。
「……ぅあ、え……?」
「クラウド、お前を抱いてんのは誰だ」
「あ……? ァ、あっ、やだ、嫌だ、」
「クラウド答えろ。っ今、てめえは、誰に抱かれてる」
 一瞬状況を理解していないようだったが、少し身体を揺さぶってやるだけですぐに自分がどうなっているのかわかったらしい。とたんに腕を突っ張り、バレットの身体を引きはがそうとしてきたが、そんなことは許さずに腰を叩きつけてやると抵抗は弱まり、ただたくましい腕を引っかくだけになった。
「答えろ、クラウド」
「ひぁ、やだ、……バレット、やだ、んぁ、あ、ア——」
「それでいい」
 短く答えて、バレットはさらに容赦なくクラウドの身体を蹂躙する。今日はもう、全て出し尽くしてしまうまで止まれそうになかった。とことん犯して満足すれば、この不快なモヤモヤも治るだろうと思って、ただひたすらに犯し尽くす。
「あ、アッ、——ぅあっ、バレット、やだ、もうやだぁ」
「くそっ、うるせえ、黙って、抱かれてろ」
 クラウドの体をほとんど折り曲げるようにして覆い被さり、上から暴力的に腰を叩きつける。
 ただ、いくらクラウドを抱き潰しても、バレットの心の中のモヤモヤは晴れることはなかった。

三度の飯が好き

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