ロストワン

リブクラ / デンクラ / pixiv ※死ネタ・R18表現あり  腰を乱暴に打ち付けると、それまで極力静かだった彼が初めて小さく声を漏らした。ベッドに沿って蠱惑的な曲線を描く背中が、うっすらと桜色に上気していく。つなが…

廃墟の恋人

リブクラ / pixiv ※R18表現あり  焦げた壁に押しつけた身体が震え、細い嬌声が上がった。一拍置いて、自分もまた押し寄せる快楽の波に低く呻くと、抱えた腰を力任せに引き寄せ、卑猥に仰け反る白い首筋に噛み付く。痛いな…

白夢の繭

WRO特別収容プロトコル (1) / リブクラ / pixiv  厚い扉を開けて中に入った途端、片隅のベッドから声が聞こえた。「リーブ」 顔を巡らせると、のそのそと寝台を下りようとしている〝それ〟が目に入った。右腕でぬい…

感染

リブクラ / pixiv  悪を悪として選ぶ者はいない。悪を善きものであると誤解するのだ。   ——メアリー・ウォルストンクラフト・シェリー ***  月日の感覚は疾うになくなっていた。  ただのマットを敷いただけの床の…

王の仮面

リブクラ / pixiv ※暴力表現あり  硬い肉を殴る音がひっきりなしに響いている。最初こそびくびく怖じ気づいていた彼ではあったが、今はもう耳が慣れきってしまって、ただその暴力が自分に向かないように、静かに震えているこ…

オンザカウンター

リブクラ / pixiv  彼には父親が居ない。物心ついたときから居ないから、どういうものか解らないけれど、ずいぶん昔に母にねだった記憶だけはある。  だから、切ろう切ろうと思っても、自分から縁を切れないのだろうと、珍し…

陶器の狂犬

リブクラ / pixiv  ――こんなはずじゃなかった。今頃は凱旋して、トップニュースを飾って、組織の仲間たちと酒でも飲んでいるはずだったのだ。それがどうしてこうなったのだろう。計画は入念に立てたし、今までこつこつと、丁…

恋慕の怪物・二

ルークラ / pixiv  心臓が吹っ飛ばされていたらしいと聞いたのは、クラウドが仕事に復帰して二週間ほど経った昼のことだった。  直接誰かから聞いたわけでもない。ただリーブに依頼されていた届け物をして、その帰りに食堂で…

恋慕の怪物

ルークラ / pixiv  束の間のうたたねを破ったのは、騒々しい人の声だった。直前まで読んでいた書類が手元にあることをまず確認し、声のする方へと目をやると、先ほどまで誰もいなかったところに、白衣の人間たちが数名群がって…

ノット・トゥー・レイト

リブクラ / pixiv  WROというのは、平和になったとしても多忙な仕事だ。星に害をなすあらゆる敵と戦うという設立目的を達成するには、平和な日頃からの警戒も必要だ。何らかの異変を察知したら、それがたとえ小さなものであ…