[2019/06/02]コルクラ

お弁当を作った将軍 / コルクラ / 文庫ページメーカー 「これを持っていけ」 ほれ、と包みを差し出したら、今まさに玄関に向かおうとしていた相手はキョトンとした顔をした。実に間抜けな顔だ、もう少し力を入れられんのかと思っ…

[2019/02/13]コルクラ02

ドンの飼い犬:拾った当日 / コルクラ / 文庫ページメーカー  裏社会は情報が命だ。 それを教え込まれたのは、コルネオがまだ泥水を啜って生きているような時分だった。身をもって知ったその教訓は、時が経ち、もはや揺るぎない…

[2018/08/27]コルクラ

笑顔のクラウドちゃん / コルクラ / 文庫ページメーカー  壁の外、たまたま任務の先で出会った奴は、普段見ているものとは天と地ほども違うにこやかな笑顔を振りまいていた。あまりにそぐわないものだから最初は全くの別人だと勘…

[2018/07/08]コルクラ

コル将軍の朝ご飯 力作編 / コルクラ / 文庫ページメーカー 「……ごはんは?」 寝起きの居候の第一声がそれだった。 普通の人間なら、おそらくそこでイライラが溜まっていただろう。だがコルはもう、このたまに斜め上の意味で…

[2018/06/30]コルクラ

配達屋のオフ / コルクラ / 文庫ページメーカー  珍しく空いた日の朝だったが、その惰眠は携帯の呼び出し音で終わった。『——あ、もしもし、にーさん?』「にーさんという名前じゃないが、名乗っておくと一応配達屋だ」 ベッド…

[2018/06/23]コルクラ

配達屋の狂気を察知した将軍 / コルクラ / 文庫ページメーカー  こいつは狂っているとはっきり理解したのは、王都が落ちたその日だった。  巨大なシガイと王の石像が組み合う中、逃げまどう民衆を掻き分けつつ一路城へと向かっ…

続・将軍と配達屋

コルクラ / クラコル / リブクラ / pixiv  クラウド・ストライフはコーヒーが好きではない。 だが、あいにくこの喫茶店にはコーヒーしかないようで、クラウドは渋々——といってもできるだけ表情には出さないようにして…

果ての一日

コルクラ / クラコル / リブクラ / pixiv 「——わからない」 それが配達屋の答えだった。いつものように我が物顔で部屋に入り込んできて、当然のように夕食をせびっていき、そして最終的には全裸で寝床に滑り込んだ配達…

盾と配達屋

グラクラ / pixiv  クレイラスと言うらしかった。 突然聞いたことがある声が聞こえて足を止めたのがそもそもの始まりだった。柄にもなく耳を澄ましてその声の方向を見てみたら、明らかに偉い人とわかるような姿の男が、黒い制…

将軍と配達屋

コルクラ / pixiv 「あんた、寝てないだろ」 目線を合わせるなりのその言葉に、コル・リオニスは一瞬反応が遅れた。おそらく言われるであろうと予想していた、「初めまして」だとかそんな当たり障りのない言葉でもなんでもない…