煙草
エタバン後ぐらいの時系列 会議の合間に煙草吸う話ちょっとだけ言及があった男の人の話はこれ 「ね、一本頂戴」 手すりに身体を預けるなりそう言ったら、今まさに火を点けようとしていたシェーダーの男は、金色の目をまん丸にしてこち…
エタバン後ぐらいの時系列 会議の合間に煙草吸う話ちょっとだけ言及があった男の人の話はこれ 「ね、一本頂戴」 手すりに身体を預けるなりそう言ったら、今まさに火を点けようとしていたシェーダーの男は、金色の目をまん丸にしてこち…
エタバン後 やることやってんのにデートでガッチガチになるキンちゃんが見たい ガチガチであった。 ここに来るまでどう歩いてきたのか記憶にないし、なんならさっき頼んだはずの料理も記憶から消えている。多分やらかした時の軍法会…
モブのある意味横恋慕の話 「――えっまた来ちゃったの? あんたも好きだねえ」 取調室にしてはやけに呑気な声だった。ぼろっちい木のテーブルの上に落としていた視線を上げると、部屋の入り口には赤と黒の制服を着た優男が立っていた…
エタバン後 ぺーぶいぺーいったはなし バカのつくカップルにしかならねえ たすけてくれ 凪だ。 そこだけ音が消えたようだった。乱闘のさなかにあって、ただその周辺だけ無音の世界として切り取られているように見えた。腰を深く落…
たぶんエタバン後かその直前 戦場での中身のないはなし 珍しい月の生まれなんですね、とは今までの人生で何度も言われたことだった。 もちろん同じ戦神の月生まれの人間なんていくらでもいる。珍しい、というのは商人界隈の間でのこ…
これのつづき 最近読んだものに影響されます なろう系っていうんですけど まただ。またこうだ。またこの光景を見ている。 ぼやけた視界の中で喉を灼きながら、浅い呼吸を繰り返す。もうだいぶ前に持っていられなくなった魔道書は足…
初めて会ったときの話 お腹がすいたときに書きました 「わぷぅ」 突然鼻が潰された。予想もしなかった衝撃にたたらを踏み、そのままべったんと尻餅をつく。腕に抱えたカーバンクルがギィと文句を言ったのが聞こえたが、尻から伝わって…
本当に最初の頃の話 モブのおにいさんと 「なんで?」 それは単純な疑問だった。皮肉でも挑発でも嘲りでもない、ただただ純粋な疑問。氷が溶けたら水になることを初めて知った子供がするような、純粋な問いかけ。未だ子供と言っても差…
エタバン後 いつぞやの進路に悩んでいたモブが遊びに来たよ Q. むーたんは離れると消えるのでは? A. 細けぇことはいいんだよ 曰く、巴術はありとあらゆる自然現象を算術で表現する学問である。 曰く、巴術士は宝珠の神秘を…
おっさんの奮闘 秘密(?)の戸棚を見つけたよ 呼吸を止めて一秒、真剣な目をして目前の錠前を睨む。これほどまでに表情筋が引き締まっているのは獣の討滅以来かもしれない。とにかく今のシルヴァは元気いっぱいに真剣だった。「むむ…